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新型コロナウイルスのワクチン接種の順番や配分はどうなる?

 

新型コロナウイルスの、ワクチン接種についてその順番や配分がどうなるのか?について書いてみました。

ワクチン接種の順番について政府の中間報告

新型コロナウイルスのワクチンは2020年の春先から世界中の医薬品メーカーで開発が進み、多くのワクチン候補が臨床試験の段階に入っており、有効性と安全性が確認されたワクチンが承認され、感染拡大の予防策として用いられるものとみられています。


日本では、全国民分に相当する2億4000万回分超の供給を受けられるよう、政府が医薬品メーカーと合意しており、現在流通や配分、接種体制などの整備が進められています。

ただ、実際に供給が始まっても、一気に国民全員分が接種できるとは限らないこと。そして、どういう順番や配分でワクチン接種を行うかという「優先順位」の問題について、政府は、2020年9月25日に、中間のとりまとめ報告書を公表しています。

 配分や順番の優先順位

政府の中間報告書ではワクチンの配分や順番の優先順位について3つのことを示しています。

  1. 新型コロナウイルスの患者やその疑いのある患者に、直接医療を提供する医療従 事者等(患者の搬送に携わる救急隊員や疫学調査等に携わる保健師等を含む)高齢者および基礎疾患を有する人を接種順位上位に位置づける。(※具体的な範囲等については今後検討)
  2. 高齢者施設や障がい者施設等で従事する人の接種順位について、業務やワクチンの特性等を踏まえて検討する。
  3. 妊婦の接種順位について、国内外の科学的知見等を踏まえて検討する。

 

コロナウイルスに感染した患者に直接対応する医師や看護師など医療従事者がワクチン接種の上位に位置づけられてます。また、コロナウイルスに感染、発症した場合、重症化の恐れが大きいと考えられる高齢者や基礎疾患がある人も上位に位置づけられています。これは、重症者が多数出た場合でも医療体制の崩壊は何としても防がばなければいけないということが第一と考えられています。

次に、高齢者施設等で従事する人のワクチン接種の順位については、高齢者施設で従事する人から高齢者等への感染を、防ぐ狙いがあり、また、妊婦については、ワクチンの接種による、胎児の奇形やアレルギーなど、胎児への悪影響もあるため科学的知見等を踏まえた上で今後さらに検討されていきます。

現在健康で、基礎疾患もなく医療従事者等でもない、成人・若年者については、ワクチン接種の配分や順番について、この中間報告書には一切触れられていません。現実的には後回しになることが予想されます。

 新型インフルエンザの時に議論された優先順位

 実は今から約11年前、2009年に大流行した新型インフルエンザの感染拡大時にも、ワクチンを誰から投与すべきか?という議論が行われていたのをあなたはご存じだったでしょうか?

日本政府は、2013年に、新型インフルエンザ等対策政府行動計画を公表しており、その主要項目の1つに、予防・蔓延防止の、対応をまとめています。それは、まず第一に、

 

【医療の提供の業務」または「国民生活・国民経済の安定に寄与する業務」に従事する人、新型インフルエンザ等対策の実施に携わる 国家公務員、地方公務員】が対象とされている『特定接種」』と呼ぶ、ワクチンの接種のグループと、一般の住民を、「医学的ハイリスク者」・「小児」・「高齢者」・「成人・若年者」の4つの群に分類し、ワクチン接種を行うグループを『住民接種』としました。

住民接種の4つの分類

住民接種の4つの分類については、考え方やケースに応じて優先順位が設定されており、ウイルスに感染しその時点での感染拡大を防ぎ重症化や死亡する人を可能な限り抑えるのを目的とするか?

それとも、日本の将来を担う人たちをワクチン接種の優先とする?が議論され、ワクチン接種の重点の置き方次第で優先順位が変わってくる様になっていました。この行動計画を運用する場合、どの考え方をとるかが論点となり、各種の問題も想定されていました。

様々なケースが予想される中、一つだけ確実と言われていること、それはこの分類でのワクチン接種の順番や配分などがおこなられた場合、健康な人で、成人・若年者のワクチンの投与は後回しになることが十分予想されます。ただ、今回の新型コロナウイルスに対する2020年9月25日の政府の中間とりまとめの報告は、新型インフルエンザの時に検討されていた特定接種の枠組みはとらず、あくまでも住民への接種を第一に優先する考えに立つとされています。

 

一方、感染拡大を防ぐ観点からは、クラスター発生の危険性がある飲食店の店員や、人と会う機会が多いセールスパーソンなどを優先することも一つの手と考えられ仲間と交流する機会の多い学生などの若年者を優先すべきでは?など、さらなる検討が必要とされています。

 

まとめ

いずれにせよ、ワクチンがいつ承認されるのか?必要量を確保できるのか?予定通りに進むのか?など、ワクチンの流通の時期や規模が、ワクチン接種の配分や順番などの検討を行ううえでの前提となることは間違いないと思われます。

健康な人で、成人・若年者の場合、新型コロナのワクチンができ、承認されて、投与が始まったとしても、すぐには接種が受けられないことも十分予想されます。それまでは、手洗い、咳エチケット、3密の回避などに気を付けつつ、自分自身の健康管理に努め、感染拡大防止策を続けることが一番大切であると思もいます。