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東芝の危機!東芝を危機に追いやったアメリカの原子力子会社とは?

東芝危機!名門「東芝」を危機に追いやった米原子力子会社とは?について書いてみました。東芝」は1939年(昭和14年)重電メーカーの芝浦製作所と弱電メーカーの東京電気が合併し、浦電気として発足、以来80年あまりの歴史を持ち日本が世界に誇る電機メーカーであり日本人なら誰でも知っている名門巨大グループです。その「東芝」が会社始まって以来最大の危機に直面しています。そもそも東芝がアメリカで行っていた原発事業にいったい何が起こり、その原因となったアメリカの子会社とはいったいどんな企業なのでしょうか?

 

アメリカの原子力発電事業での危機、リスクの評価が甘すぎたのが最大の原因か・・・

 

「東芝」会社情報

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社名:株式会社東芝

本社所在地 :
〒105-8001
東京都港区芝浦一丁目1番1号浜松町ビルディング

設立 :1904年(明治37年)6月25日(株式会社芝浦製作所)
業種: 電気機器
法人番号 :2010401044997
事業内容:

・デジタルプロダクツ

・電子デバイス

・社会インフラ

・家庭電器
(主な製品も参照のこと)

代表者 :

綱川智(つなかわ さとし)/取締役兼代表執行役社長

成毛康雄(なるけやすお)/取締役兼代表執行役副社長

秋葉慎一郎(あきば しんいちろう)./代表執行役副社長

牛尾文昭(うしお ふみあき)/代表執行役専務 

平田政善(ひらた まさよし)/取締役兼代表執行役専務

資本金: 2,000億円(2016年7月31日現在)

発行済株式総数: 42億3,760万2,026株(2016年3月末時点)

 

売上高 :<連結>5兆6,686億8,800万円
売上高:<単体>2兆8,752億7,600万円(2016年3月期)

 

営業利益<連結>▲7,087億3,800万円
営業利益<単体>▲2,375億700万円(2016年3月期)

 

経常利益<連結>▲6,331億4,500万円
経常利益<単体>▲1,676億7,400万円(2016年3月期)

 

純利益<連結>▲4,600億1,300万円
純利益<単体>▲3,300億1,700万円(2016年3月期)

 

純資産 <連結>6,722億5,800万円
純資産<単体>3,715億4,700万円(2016年3月末時点)

 

総資産<連結>5兆4,333億4,100万円
総資産<単体>3兆5,979億5,100万円(2016年3月末時点)

 

総資産<連結>18万7,809人
総資産<単体>3万6,601人(2016年3月末時点)

 

決算期: 3月末日

 

事の発端と経緯

現在東芝が会社始まって以来の危機的状況に直面していますが、事の発端は2016年12月27日の発表から始まります。その内容とは、東芝が2006年からアメリカで原子力事業を任せるために買収して子会社にした「ウェスチングハウス」という会社があるのですが、この子会社に関係する資料を詳しく調べたらなんと数千億円規模の損失(赤字)が出てしまう可能性があることがわかったのです。具体的な損失額(赤字)については翌年2月14日に迫っている決算発表の時に明らかにするということでした。

 

東芝危機の原因「ウェスチングハウス」とは?

会社名:ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー

本社:アメリカ合衆国ペンシルバニア州バトラー郡に所在

業種:原子力関連の広範な製品の販売とその関連サービスを行う多国籍原子力関連企業。

事業内容:核燃料、サービスとメンテナンス、制御と計測、原子炉の設計などを行っている。

 

なぜ買収してしまったのか?

今から11年前の2006年、当時の東芝は原子力発電事業をグループ全体の成長戦略の柱と位置づけ、当時イギリス政府が運営する核燃料公社(British Nuclear Fuels Limited、BNFL)が1999年から買収していたアメリカの原子炉(製造・運営)メーカー大手「ウエスチングハウス(WH)」を当時のレートで約6400億円で買収します。

当時この買収についてのパートナーとして資金面でバックアップしていたのが総合商社丸紅で社長は、”勝俣宣夫”氏でした。”勝俣宣夫”氏は当時東京電力社長、”勝俣恒久”氏の弟で、この時東京電力もまた電力自由化の波に乗り、原発事業での海外進出を目指していた時でした。

 

三菱重工業との買収合戦

エネルギー事業に意欲的だった丸紅がパートナーということで心強かった東芝は「ウエスチングハウス(WH)」を買収するための入札ではその時競り合っていた三菱重工業の担当が″あきれてしまう″という位にまで値を吊り上げていきますが、なんと信頼していた資金的パートナーである丸紅は入札が完了する途中で降りてしまいました。当時の丸紅は赤字のダイエーを買収するほうを優先し結果的には東芝を裏切る形となり、このことについて東芝の元社員は「あの裏切りがなければ・・・」とある雑誌のインタビューに答えています。東芝の危機はこの時から始まってしまっていてたといってもいいかもしれませんし結果的に「ハズレ」を引いてしまう事になるのです。

 

 

なぜここまで損失が膨らんだのか?

買収後から2年後「ウェスチングハウス(WH)」は、2008年にアメリカ南部のジョージア州とでサウスカロライナ州で合わせて4基の原発の建設受注しました。この時「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター」という会社もパートナー企業としてこの原発建設にっ加わっていました。しかし2011年3月に発生した東京電力・福島第一原子力発電所の事故のあと、アメリカでは原子力発電所の安全基準が厳しくなったことにより工期が大きく伸び人件費も膨らみ、全体の建設コストが想定を大きく上回割ります。

 

パートナー同士の対立と危機管理不測

東芝子会社の「ウェスチングハウス」とそのパートナー企業の「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター」は、建設コストが予想よりはるかに膨らみ続ける事に対して、でどちらがそのコストの負担をするのかということで対立、訴訟にまで発展しかねない状況になります。もしそうなれば工期が大幅に遅れさらなる損失が出てしまうとの事から急いでこの状況を終わらせ、工事に集中するためこの会社を買収する事になるのですがこれが最悪の結果をもたらします。

買収するパートナー会社「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター」資産が負債を下回る債務超過に陥っていたので買収額は「0ドル」とし、必要経費を見積もっても105億円位と見込んでいたのですが、なんとその予想をはるかに上回る6000円億円を超える追加の費用がかかってしまうことがその1年後わかります。

買収する時の算定や福島第一原発事故後の状況を踏まえたチェックが甘かったとこが最大の原因になるのですが、東芝はこの孫会社にあたる「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター」を連結子会社から外しますが親会社として、債務を保証している為、この支払いなどが響き、6月23日に公表された「2017年3月期の暫定決算」では最終損益が9952億円の赤字となり、債務超過額は5816億円。会社の資産より借金が多いという非常事態となっているのが今の東芝の現状です。

 

まとめ

日本が世界に誇る超優良企業だった東芝。一つの事業の見誤りから巨大グループ全体が一気に赤字に転落、会社そのものの存続も危機的な状況になっているのですが今後新生東芝として是非とももう一度光輝いてほしいと思います。